先日いただいたコメントにヒントをもらいました。
まとまった金額まで積み立てている間の国内のインデックスファンドの信託報酬と、外国株式手数料とのバーターで極小値があれば、それこそがよいサインになるのではないかと考えました。要は信託報酬を横目で見ながら外国株式手数料をどこまで薄められるかです。
そこで国内のインデックスファンドを積み立てて移行にかかる費用総額を投資総額に対する割合として表します。
対象はeMAXIS新興株
考慮するもの
信託報酬 0.63%
信託財産留保額 0.3%
外国株式手数料 26.25米ドル
為替スプレッド 1米ドル=0.25円
簡単のためリターンは0とし、為替も100円のまま変動しないとします。
見方は、例えば50000（緑）の線で見ると、5万円を6ケ月積み立てて移した場合は1.6%くらいの手数料率になり、同じく12ヶ月積み立てて移した場合は1.3%くらいになります。（確認ですが手数料率には外国株式関連だけでなくeMAXISの信託報酬等も含まれています。）
期待した極小値は（カッコ内は手数料率）、
1万円→32ケ月=32万円（2.2%）
2万円→23ケ月=46万円（1.7%）
4万円→16ケ月=64万円（1.4%）
5万円→14ケ月=70万円（1.3%）
8万円→11ケ月=88万円（1.1%）
10万円→10ケ月=100万円（1.0%）
期間が積立額に反比例しないのは過去に積み立てた分の信託報酬が複利で効いてくるのに対して外国株式手数料が定数だからでしょうか（長く持つほど信託報酬の寄与が支配的になる）。
従来から目安としていた100万円というのは10万円積み立てている方には悪くない数字ということになります。それより少ないと数字は減ってくるようです。あと新興株は信託報酬0.63%より実質コスト1%で考える方がよいかもしれません。そうするとサインはさらに早く出ることになります。
さらに、先日コメントいただいた海外ETFを積み立てる場合との差を比較してみます。
上記と同じように毎月海外ETFを積み立てる場合の手数料率を算出し、乗り換える場合との差額をプロットします。
対象はVWO
考慮するもの
信託報酬 0.18%
+上記と同じ外国株式手数料関連
マイナス側が積み立てて乗り換える方が低コストということを示しています。
積立額が小さいと基本的にマイナス側にいるので乗り換える方が有利ということになります。一方積立額が50万円を越えてくるようなブルジョアなら直接海外ETFを積み立てる方がよいということになります。
ただしこれはあくまで海外ETFを毎月積み立てる場合と比較したもので、基本的には最初の結果で考えればよいと思います。
（以下余談）
何度も同じ乗り換えパターンを繰り返すなら上記の極小値を採用すればいいのですが、乗り換えが1度きりでその後その資産は国内で積み立てしない、というような場合はもっと早くてもよいかもしれません。
というのは、ひとつめのグラフ、極小値はありますが前後の数ヶ月でほとんど手数料率が変わりません。前の月との手数料率の差が「国内のインデックスファンドと海外ETFの信託報酬差/12」より小さくなれば、その時点で乗り換えてもいいのではないかと考えます。少し早めに移して海外ETFの低信託報酬を享受する方が有利じゃんという考え方です。
1つめのグラフの微分値をとったものです。y=0との交点が極小値であり、y=信託報酬差との交点が今述べた条件でのサインになります。
あくまでサインが出たら積み立てをやめるかその後の分は移行しないという場合のみです。積み立てを続けていずれまた乗り換えるなら極小値を取る方がよいと思います（また乗り換えると結局その時に計算の対象になるので）。ややこしいし実用的かどうかわからないので参考までに。
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