前に非時価加重インデックスであるファンダメンタルETF等の純資産比率上位のウェイトを調べました。今回全銘柄のウェイトが取得できたのでヒストグラムにより偏りを確認します。データは野村AMのETF「
組入全銘柄情報」からもらってきています。
・RNファンダメンタルインデックス(1598):財務指標加重
・JPX日経インデックス400(1591):時価加重+1.5%クリップ
・TOPIX(1306):時価加重
・日経平均株価(1321):株価加重
・野村日本株高配当70(1577):等金額加重
・RN小型コアインデックス(1312):時価加重
【日本株インデックスのウェイトヒストグラム(2014/05/30)】
(※上の4つは株価指数先物を2~3%組み入れておりそれも1銘柄としてソートしています)
この図の意味は「上位X%の銘柄で時価Y%を支配している」ことを表します。例えばグリーンの日経平均は数で10%の銘柄が時価で50%に達していることがわかります。つまり最初の立ち上がりが急なほど少数の上位銘柄がウェイトの大部分を支配していることになり、実効的なNが減少している(分散が効いていない)と解釈できます。等配分で傾き1の直線になります。
|
銘柄数 |
均等度 |
分散度 |
RNファンダ |
554 |
0.11 |
20 |
JPX400 |
401 |
0.17 |
26 |
TOPIX |
1807 |
0.02 |
5 |
日経225 |
226 |
0.19 |
18 |
高配当70 |
70 |
0.99 |
70 |
RN小型 |
350 |
0.79 |
243 |
【考察】
分散度を見ると、例えばTOPIXは1807も銘柄があるのに等配分相当では5銘柄程度しか分散されていないと解釈できます。他も20銘柄前後で組入銘柄の1割以下の分散効果しかありません。等金額の高配当70は組入銘柄と同じ70銘柄の分散効果があります。今回追加したRN小型はTOPIXの傾きが寝ている部分を抽出したようなイメージで割と等分されています。
グラフに戻ると、非時価加重のRNファンダは最初の立ち上がりがTOPIXのような時価加重と変わりません。JPXは組み入れを1.5%に制限しているので立ち上がりが他に比べて緩やかです。個人的にはROEといった選別の仕方はいいとは思いませんが、JPXの立ち上がりの挙動とSBが他より少ないことがTOPIXや日経平均より合理的だと思います。「何が入っているか」より「どのように入っているか」が重要だと考えるからです。
それでもなおJPXは時価加重の域からは抜け出せていません。高配当70のような統計的に分散投資に資するインデックスファンドの実現を望みます。
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