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インデックス・ドライバー

時価総額加重を崩すということ

EXE-i中小型株で時価総額加重を崩したいと思っています。具体的にどういうことか考えてみます。

問題の根源はMSCIコクサイやMSCIエマージング(VWOはFTSEエマージング)などの主要なインデックスがほぼすべて時価総額加重平均であること。過去の検証から時価総額加重は支持できないので、時価総額の高い銘柄の含まれない、あるいは少ないファンドをブレンドすることで偏りを緩和できないかという狙いです。

今回はそれを定量的に考えます。

諸般の事情からiシェアーズの以下のETFを例に使わせていただきます。

Large Cap:iShares Core S&P 500 ETF(IVV)
Small Cap:iShares Core S&P Small-Cap ETF(IJR)

これらを構成する全銘柄の時価総額とウェイトは以下のようになります。


横軸は個々の銘柄の時価総額、縦軸はファンド内のウェイトです。潰れてしまうので横軸も縦軸もlogにしています。時価総額加重平均なのでlog-logで傾き1の直線になります。

またIVV+IJRはそれぞれを50:50で加重平均したものです。IVVとIJRで時価総額がオーバーラップしていますが銘柄の重複はないとします(米国はSmallと言っても時価数千億円あるのですね)。

IVVとIJRの時価総額はlogで表示しないといけないくらい差がありますが、個別のファンドで構成されればその時価総額の差(比)は1:1にスケールされます。つまりIVVのいちばん大きな銘柄とIJRのいちばん大きな銘柄のウェイトはほぼ同等と考えてもよく(時価総額の2桁の差はなくなる)、これら個別のファンドを我々がブレンドして使えば時価総額加重をある程度均すことができるはずです。

EWIというのはIVV(501銘柄)とIJR(602銘柄)の合計銘柄数(1103銘柄)を等配分したときの理想値です。

この縦軸の銘柄数とウェイトの累積ヒストグラムをとります。


それぞれウェイトの小さいものからの積分を100%から減算したものです。

例えば、横軸0.5%で見ると、IVVはウェイト0.5%以上の銘柄が数で8%しかないのに時価で43%を占めているという意味になります。また1つでもウェイトの大きな銘柄がいるとだらだらと裾を引き、IVVは最大3%の銘柄(Apple)が含まれます。対してIJRは最大でも0.6%であり、ヒストもより理想的な階段状に近くなっています。EWIは銘柄・時価ともに完全な階段分布で一致します。

ここで累積時価が半値(はんち)になるときのウェイトをHWR(Half Weight Radius)と定義します。ついでにそのときの累積銘柄をNHW(Number of Half Weight)とします。同様に累積銘柄が半値になるときのウェイトをHNR(Half Number Radius)とし、均等度と分散度を

均等度=HNR/HWR
分散度=(HNR/HWR)/HWR

という風に定義してみます。均等度は0から1までの値をとり、1に近いほど等配分に近くなります。また分散度は均等度をHWRで規格化しています。これはより多くの銘柄により均等に分散されたインデックスをエンハンスし、理想的なEWIでの分散度を銘柄数に一致させるためです。つまり分散度の値は大きければ大きいほど多数の銘柄に等配分されていると考えることができ、実質的に何銘柄に等配分されているかの目安になります。

しかし、これでは裾の広がりを記述するには不十分な可能性があります(1000銘柄あっても1つが49%で残りすべて0.051%のような場合)。したがって、フェルミ関数的な考え方で累積時価が例えば10%と90%になるときのウェイト差をΔ(10-90%)、等配分を仮定したときの1銘柄あたりのウェイト(銘柄数の逆数)をμと置き、階段の広がり方を表す

kT=Δ(10-90%)×μ×10000

という量を定義します(10000を掛けているのはオーダーを上げて見やすくしたいだけです)。kTは0に近いほど多数の銘柄に等配分されていると考えます。

上記の累積ヒストに適用すると、


IVV+IJRの均等度をIVVより大きくすることができました。また分散度は銘柄数が増えていることもありIJRより大きくなっています。kTも0に近くなっています。

今回は大型株と小型株を用いましたが、例えばMSCIコクサイなど広く出回っている時価総額加重ファンドにEXE-i中小型株を組み合わせることで同様の効果が得られる見込みです。

また時価総額加重と中小型株で銘柄が重複していたとしても、時価総額加重の中で中小型株が占める割合は相当に小さいと考えられるので一定の効果を期待できます。

分散度としては100銘柄あれば統計的に問題ないと考えますが、世界にはたくさんの銘柄があるのでせっかくなので1000銘柄=0.1%程度のEWIファンドがあるといいなと思います。1000程度なら流動性なども問題にならないはずです。

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コメント

1. 無題

均等度=HNR/HWR
分散度=(HNR/HWR)/HWR
たとえば、IVV   0.1/0.41= 0.2439
0.2439/0.41 = 0.5948
となりますが、微妙に数値がずれているのは
なんでしょうか?
分散度は100を掛けるのでしょうか?


2. コメントありがとうございます。

>しまさん
上の表は小数点以下の数字が四捨五入で丸められているからです。正確には、

HWR:0.4075%
HNR:0.0957%

よって

均等度:0.0957%/0.4075%=0.2348 → 0.23
分散度:(0.0957%/0.4075%)/0.4075%=0.5763/% → 58

均等度は%が約分されますが分散度は分母に%が残るので100倍しています。

3. 無題

基本的なことがわからないのですが。
聞いていいですか。
>累積時価が半値(はんち)になるときのウェイトをHWR(Half Weight Radius)
これはたとえば、
累積時価が100円のファンドがあったとして、
A 40円
B 30円
C 20円
D 10円
とすると、半分の50円になるときのウェイトというと
なんの数字になるのでしょうか?
累積銘柄が半値になるときのウェイトは、半分のBとして、
70円になるでしょう。

4. コメントありがとうございます。

>しまさん
>半分の50円になるときのウェイトというと なんの数字になるのでしょうか?

しまさんが出された例で考えると、

銘柄 時価(ウェイト) 累積銘柄 累積時価
A  40円(40%)   25%   40%
B  30円(30%)   50%   70%
C  20円(20%)   75%   90%
D  10円(10%)   100%  100%

累積時価が50%になるとき(超えるとき)のウェイト(HWR)
→30%(この例だと粗いので正確には30%と40%を2:1で補間した37%が適切)
累積銘柄が50%になるとき(超えるとき)のウェイト(HNR)
→30%

>累積銘柄が半値になるときのウェイトは、半分のBとして、70円になるでしょう。
上記のように70%ではなく30%になります。

5. 無題

半値になるときの銘柄、ここではBのウェイトを見ればいいと
いうことですね。その後、補間したり。
基本レベルですがわかりました。ありがとうございました。

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