以下は「STAMTOPIX」「STAMグロ株」の標準偏差の推移です。標準偏差をとるタップ期間を16日、128日に保ったまま時間方向に移動させています。
【TOPIX】
【グロ株】
確かに2014年7月前後のシグマはそれまでより小さくなっています。
日頃から変動で稼いでいる人たちにとっては低シグマは死活問題なのかもしれません。
しかし年間で5%程度上昇すればよい我々インデックス投資家にとってはむしろ良いことなのではないでしょうか。
この辺りは相加・相乗平均、あるいは対数正規分布の平均値・中央値の議論になります。
将来の資産価値の分布を記述する対数正規では「σ^2/2」のオーダーでリターンが低下します。
例えば1%下がった後に元に戻るためには1.01%上がる必要があるからです。
つまり期待リターンが同じならシグマは小さいに越したことは無いです。
もちろん+2σ、+3σの確率の低い部分で一発狙おうとするならシグマは大きい方が良いです。
リスクを取れば見返りが大きいと考えていた時期が僕にもありました。
しかしそれは「当たれば」の話で、平均的にはリスクはリターンを浸食するものだと理解するようになりました。
日銀総裁もおっしゃっています。
『「ボラティリティーが下がり実質金利が低下することは経済回復を加速し、物価上昇率の押し上げに効果がある」と指摘し「それ自体として重大な問題だとは思っていない」との認識』
ボラティリティが下がると実質金利が低下するというのは「σ^2/2」のことを意味しているのでしょうか?(問題なのはボラティリティ低下を問題視している?メディアや金融機関の方だと思うのですが。)
とりあえず市場の気まぐれでリターンを喰われないのはいいことだと思います。
一方、私はここらへんで一発暴落が起こってほしいとも思っています。
結局どちらでもよいので、インデックス投資は気分的にもラクでいいです。
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