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インデックス・ドライバー

分配金とトータルリターン

2014/12/01から「投資信託のトータルリターン通知制度」が始まるそうです。


先行実施した楽天証券にログインして確認してみました。今は楽天でファンドを保有していないのですが、過去に購入したことのあるすべてのファンドを見ることができるようです。昔保有していた懐かしいファンドがいました。

【楽天証券のサンプル画像】

「トータルリターン」とは、

「合計損益(トータルリターン)」=「現在の評価金額」+「累計解約金額」+「累計受取分配金額」ー「累計買付金額」

当たり前ですが投資信託は分配金を出すと基準価額が下がります。この制度により以下のようなことが明示されることで、分配金に対する錯覚が少しは是正されるのではないかと考えています(サービスセンターに問い合わせ殺到な気がしますけど)。

①「累計受取分配金額」の項が増加しても、「現在の評価金額」の項が低下すること
②さらに「現在の評価金額」ー「累計買付金額」が低下し、あるいはマイナスになること
③さらに(「累計受取分配金額」がプラスなのに)「合計損益(トータルリターン)」までマイナスになること

無分配で長期投資を実践している投資家にとっては当たり前の話ですが、「トータルリターン」について分配金の観点から成分分離してみたいと思います。例として無分配(資産成長型)と分配型(隔月)とがある「SBI資産設計オープン」の基準価額と分配金を元に考えます。以下は2008/01/31に一括投資した場合の損益等の推移です。

【トータルリターンの図】

この図は、上段が基準価額から求めた損益率の推移、中段が分配型が払い出した分配金の累積、下段が分配型のトータルリターンから成長型のトータルリターンを差し引いたものです。ここで分配金は2008/01/31に対する率として表し、「損益(分配型)+分配金受取分」が分配型のトータルリターンに相当します。(※分配に対する課税、および再投資は今回の主旨と少しずれますし複雑になるので考慮していません。また成長型の2013/11/13の20円分配は微小量として含めていません。)

ここからいろいろ分かることがあります。

①分配型は暴落時において損失が軽減することで無分配を上回ることがある
→2009/01/E付近でマゼンタの線が青い線の上にいる
②分配型は上昇時において分配金受取分が複利に寄与しないので無分配と差がつく(課税を考慮するとさらに広がる)
→2013/01/E付近から差分がマイナスに広がっている

特に分配金の以下の性質が心理統計的にハマったのだと考えられます。

③分配型は基準価額(評価金額)がマイナスでも分配金受取分(累計)は常にプラス
→例えば2009/01/Eから2013/01/Eまで
④投信の分配単価が減少し傾きが寝ることはあっても負の傾きにはならない(累計は減らない)
→例えば2011/11/10が変曲点(33→25円)になっているが右下がりになるわけではない

このあたりが人間心理を突いた巧妙な作戦だと思います。よくよく考えると、たとえ元本取り崩しであろうとなかろうと絶対にマイナスにならない「分配金」というものは「非可逆」なんですね(出してしまったら元に戻せない)。

分配の有無によるトータルリターンの差の要因は主に以下だと考えています。

A:分配金受取分が将来に渡って複利で増減する成分
B:分配金受取分の課税先取り成分(無分配による繰り延べの逆)

どちらも変動の仕方で結論が変わると思いますが、期待値がマイナスなら最初から投資などしないので、AもBも基本的にコストと同様に資産形成の効率が落ちる要因だと考えています。

以上のように、投信のリターンを考える時は、当然ながら元本の増減と分配金の(課税後の)受け取り分を合算する必要があります。また分配金を受け取ると複利自体が働かないことも意識する必要があります。そもそも分配が無ければトータルリターン通知制度のような仕組みも必要ないはずです。

いずれにしても、資産運用の目的は人によって違うと思いますので、効率を落としてでも精神的充足を取るか、トータルの効率を求めるか、私はそれぞれの判断で決めればいいと思います。

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