「特に無いんじゃないですかね」
時価総額加重平均は合理的な根拠があるかという「効率性」において「意味の無い配分」というだけで、結果がどうなるというわけではありません。ただの「アズグロウン(できなり)」ですが「分散」そのものはされています。
指数の統計的な性質だけを考えると時価加重に根拠は無いですが、それをインデックスファンドに落とし込んで運用サイドの立場まで考えると時価加重は良い落としどころだと思います。
インデックス投資はリーマン直後は叩かれたとしても現在はウハウハでしょうから、実用上問題ないことは示されています。ゆえに、これまで「効率的」とされていた時価総額加重が効率的でなかったとしても(他に効率的な配分があったというだけで)困ることなく続いていくと思われます。
時価総額加重平均、というか「CAPM」に対する反例は「リスクでリターンが減るのにリターンがリスクに比例するっておかしくないですか?」という単純な疑問がもとです。下のポンチ絵と矛盾します。
【消失リターンのポンチ絵】
定性的に考えてもリーマンやギリシャで右往左往する市場が効率的とは思えません。少なくとも「バリューインデックス」という括りが存在する時点で市場平均とインデックス投資との矛盾が発生しているように見えます。
コストを抑えて分散投資できるからインデックス投資をしているだけであって、インデックスよりコストが低く運用思想が理にかなった手段が他にあれば鞍替えするインデックス投資家もいると思います。ほかに低コスト分散以上にインデックスの統計的性質のおもしろさに惹かれる人もいるはずです。
個人的には人間の心理学が絡むような不確定でコロコロ変わるものは何も考えずにエイヤで等配分でもいいと思います(道理はあるので)。空いた時間をクルマでもスキーでもなんでもおもしろいことに充てた方がよいと思います。
ここで重要なことは「インデックス投資は分散投資の一手段であって、分散投資、インデックス投資、時価総額加重平均、非時価総額加重平均はそれぞれ等価ではない」ということだと考えています。
【インデックス投資のベン図モドキ】
インデックス投資が分散投資に包含されること、時価加重がインデックス投資のすべてではないことを部分集合の図で表してみました。
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