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インデックス・ドライバー

コストが低いのにはわけがあるのでしょうか

前回記事で「三井住友・DC全海外株式インデックスファンド」のトラッキングエラーにコストの有意差が見出せないことを見ました。この件に関してとよぴ~さんが以下の記事で先物運用による下方乖離を指摘されていました。


この新興株先物運用といえばETF1681(上場インデックスファンド海外新興国株式)を思い出します。コストや課税のために先物を使っているが、配当(金利)運用部分が所望の通りになっておらず配当込み指数から下方乖離するものでした。今回の三井住友全株の新興国運用部分もおそらくこれと同じことが起こっているのではないかと考えています。

もうひとつの「三井住友・DC新興国株式インデックスファンド」もマザーファンドが全世界株と共通で先物運用です。ベンチマークは配当込みとしているようですが、配当の喪失による下方乖離が著しいです(~2%/年)。なお全株の先進国運用部分は「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」とマザーファンドを共有しておりトラッキングエラーの問題はないと考えられます。

【コストと連動品質のシーソーゲーム】
昨今の低コストファンドは何かしら追従性の問題が発生しているように感じています。今回に限らずここ数年で話題となったファンドはニッセイグロ株もニッセイJREITも他と異なる動きでしたし、ETFも配当分配課税や取引価格の乖離といった落とし穴の他に1681のような先物運用による配当ロスがあります(そもそも何の代償もなしに株式配当と同じくらいの金利運用ができるなら誰も定期預金とか使わないと思うのですが)。

とりあえずこんな感じで見てきました。


ちなみに、私も別に狙っているわけではなく、「低コストファンドか、どれどれ。と調べてみると、ことごとくコストで説明できないトラッキングエラーがあるでござる」という感じです。昔からETFのような分配課税ロスや市場カイリのない「インデックスファンド」に期待しているのですが・・・低コストには何らかの理由があるのでしょうか。

運用会社さんがコスト低下のためにご尽力されていることは承知しています。しかし例えば先物運用することで低減できるコストと配当を失う分とのトレードオフ、あるいはポートフォリオを調整する(銘柄数を減らす)ことによる乖離リスク等を考慮する場合、どちらを採用するかの判断は比較的容易だと思います。一方で、そのような運用をするのは純資産といった運用上の制約などさまざまな理由があると思います。特に今回の件は純資産規模によるやむを得ない先物利用ではないかと考えています。

もともと配当なし指数を連動対象にしているならファンド運用として先物利用は一理あると思います。しかし個人的には配当のないインデックス投資は半分投機やギャンブルに足を踏み入れているという認識です。

コストを抑えるには連動品質を犠牲にする必要があるのか?いや、グロ株のみで言えばニッセイを除いて低コストのDCファンドもコストに比例したきれいな「コサイン・グラフ」になっていました。新興株のような費用がかさみがち、純資産が小さい、等のアセットを低コスト化しようとするとトラッキングエラーが起こりやすいのか?

ETF1681の知見から、先物運用で配当が入ってこないなら、全世界株の新興国部分を10%、配当を2.5%とすると2.5%×10%=0.25%程度の下方乖離要因になると思います。一応コスト差に収まる量ですが、三井住友全世界株とeMAXIS全世界株とのコスト差が見出せないのは配当成分がコスト成分を相殺しているからと推定しています。また一方向の乖離の他に運用手法の違いによる相対的なばらつき方の差も目立ちます。費用、連動性、このような部分に新興国投資の難があります。新興国インデックスファンドが登場してしばらく経ちますがなかなか改善しない点です。

前回の記事でコメントしたことを引用します。

『できるのか知りませんが運用会社が拠出すればいいのにと思いますね。インデックスなので金融機関に取っても悪くない投資だと思います。あるいはまともな運用ができる規模までは関係金融機関に出資を法律で義務づけるとか。先物禁止くらいの勢いで。 』

【まとめ】
個人的には、最終的に重要なのは「税引後配当込み指数からのトラッキングエラー」であって、実質コスト(経費率)ではないと考えています。上記のように先物運用による配当ロスやポートフォリオの差異によるトラッキングエラーなど、インデックスファンドの増加および低コスト化が進んできて実質コストだけで判断できない事例も多くなっていると認識しています(あるいは前からあったが注目され始めたのが最近なだけか?)。それらを含めてトータルリターンで判断する必要があると考えています。

以前から他社と差別化は図ってほしいと思っていますが差別化の方向が違うような気がします。個人的にはコストのために「連動品質」を犠牲にするよりも「指数品質」の向上が必要ではないかと考えています。その品質とはまさに統計学を支えとする合理性や客観性です。普通、何らかの論理性がないと物事の判断がつかないと思うからです。

仕事柄私が感じることは、性能や品質を落としていいならコストダウンは容易だということです。特性を維持したまま、または向上させた上でコストダウンを実現することに意味があると考えています。

インデックスファンドの「質の伴わない低コスト化」を懸念しています。

やはりコストだけを見て飛びつくのは、これまでお世話になったファンドを簡単に脱ぎ捨てるのはいかにも惜しいという感じがしますし、それまで使っていたファンドに申し訳ないこともあるので控えたいと思っています。

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