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インデックス・ドライバー

国内資産と外国資産のシグマ(積の合成リスク)

国内資産は為替リスクがないから"安全"という話を聞きますが、日本株では疑問です。輸出・輸入に関わる銘柄が多くなると為替に反応する傾向があると思います。現に、

リターン リスク
TOPIX (配当なし) (円) 2.8% 18.5%
TOPIX 500 (配当なし) (円) 2.5% 18.7%
S&P 500 (配当なし) (円) 4.0% 18.9%
S&P 500 (配当なし) (米ドル) 6.3% 14.8%
米ドル (円) -2.2% 9.6%








(2013/3末@myINDEXさんより10年年率平均。MSCIコクサイは国・通貨の分散が含まれるので、単一国、同銘柄数、時価総額上位の指数を参照)

TOPIXと円換算のS&Pでほぼ同じリスクです。これでは国内資産のメリットがないです。ていうか米ドル建てのS&Pが14.8%しかないことに驚きです。

前置きが長くなりましたが、知りたいのは「外国資産のリスクにおける為替の寄与」です。

円換算では為替を掛け算します。普通の分散投資と違うのは、全体で100%になる重みづけをしたリスクの和(加重平均)ではなく1:1の積である点です。

よって資産そのもののリスクが同じだとすると、為替の分外国資産の方がリスクが高くなる気がします。あるいは為替のリターンや相関によっては低くなる可能性もあります。

そこで積の合成リスクを考えます。前回確認した誤差伝搬法則を用います。

ここで普通の分散投資の場合は、a,bをウェイトとして

f=ax+by (a+b=1)

なので、

σf^2=a^2σx^2+b^2σy^2+2abrσxσy

となります。

次に円換算のような積の場合は、

f=axby (a=b=1)

なので、

σf^2=y^2σx^2+x^2σy^2+2xyrσxσy

となります。

誤差の積で注目すべきは相手のリターンが掛かることです。おお、新しい発見が。長期的に円高になるとリスクが減ります。リターンもですが。当たり前ですかね。

実際にS&P500(米ドル)と米ドル/円の時系列データからリターン、リスク、相関係数を求めて当てはめてみると、

リターン リスク 相関係数
S&P500(米ドル) 6.3% 14.8% 0.18
米ドル/円 -2.2% 9.5%
S&P500(円換算) 3.9% 19.0% ---






冒頭のmyINDEXさんのS&P500(円)とほぼ一致しました。なお、これは積の結果ですが1:1の和の合成リスクでやってもだいたい合っているようです(リターンが1に近いから?)。ちなみに時系列データは2013/3末までの10年分を月単位で計算して年換算しています。

次に、日本株に米ドルの為替リスクが乗っていると仮定して、それを割り戻して日本株本来のリスクを計算してみます。なおTOPIX500の時系列データが見つけられなかったので普通のTOPIXとします。

商の誤差伝搬は、

f=ax/(by) (a=b=1)

なので、

σf^2=(1/y)^2σx^2+(-x/y^2)^2σy^2+2(1/y)(-x/y^2)rσxσy

となります。同様に時系列データから当てはめると、

リターン リスク 相関係数
TOPIX(割戻前) 2.7% 18.4% 0.47
米ドル/円 -2.2% 9.5%
TOPIX(割戻後) 5.1% 16.3% ---






それでもS&Pに比べて高めなリスクなんだなあという印象です。

ところでTOPIXと米ドルとの相関係数が0.47です。これまで為替との相関は見たことがなかったと思いますが、改めて日本株は為替に連動しているんだと感じます。ちなみに割戻後のTOPIXは米ドル建てのTOPIXに相当します。米国の投資家にとっては現地よりリスクが小さいということになり、日本株そのものが為替ヘッジを内蔵しているようです。

一方S&Pは0.18(向こうから見ると-0.19になるかと思います)で、米国株は少なくとも円に対してはそういうことはなさそうです。

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