個別銘柄や資産クラス間のバラツキは分散してn増しすることで軽減できます。個別銘柄はインデックスファンドがやってくれますし、資産クラス間は適切な資産配分で実現できます。もちろんインデックスファンドにも偏りの大きいものがあるのでまだまだ改善の余地はあります。
しかし心理学的に一斉に動くときの暴騰暴落のリスク、いわゆるシステマティックリスクはインデックスや資産配分で消すことは難しいです。このシステマティックリスクを減らす方法は時間分散だと思っています。ヘッジファンドとか専門家にはもっとうまい方法があるのかもしれませんが我々の場合は時間軸でなめるのがよいかと。これは積立で対応できます。
このように数でも時間でも多数のサンプリングで平均化することを私はローパスとかなめるとかスムージングとか眠くするとか言っています。
アンチエイリアスなんかでローパスフィルタをかけるとギザギザや折り返しが目立たなくなりますがあれと同じです。画像の場合は必要な空間周波数以上になめると溶けてしまいますが投資の場合は眠くすればするほどよいです。
例えば年間の騰落率が同じ10%でも、個人的にはグラフの青色のようなカーブが望ましいです。このときの1日あたりの変化率は0.026%であり、日々の値動きの中では無視できるくらい非常に小さなものになります。
以前の検討で相乗平均である複利はバラツキがあると実効的なリターンが減ってしまうという結果を得たので赤色のようなカーブは非常にもったいないです。これは例えば配当等によって本質的に(相加平均的に)プラスのリターンを持っている資産でも日々の変動があるだけでそのリターンを喰ってしまうと考えることもできます。仮に赤色のようにギザギザしながら10%になるときの相加平均リターンで青色のような複利計算をすると緑色になります。このときの1日あたりの変化率は0.031%です。そうなれば積立もいらなくなります。
ただそうやってバラついてきた結果がその資産のリターンになっているのですが。もちろんバラつかなかったら相加平均通りのリターンになるという保証はないです。もしその資産が内包する相加平均リターンが一定で上限が決まっているとしたら、上がったり下がったりを繰り返すほどリターンは逃げていくという話です。
やむを得ず変動があっても適当に時間分散でスムージングをかけてやれば黄色のようになります(単純に平均をとっただけでドルコスト平均法の結果ではありません)。最後が10%より小さくなっていますが積立でリターンが半減するのを承知の上でバラツキを減らしています。
おそらく時間分散には捉え方によっていくつかの意味があります。
◆バラツキを平均化する(ローパスフィルタ)
◆取得単価を下げる(ドルコスト平均法)
◆リスクのコントロール(ランニングリバランス)
1年に+100%とか-50%とかいらないから毎年5%、毎日にすると0.013%でいいのでσ=ゼロで上がり続けてほしいです。
(元本確保型の年利5%(2,30年前の定期預金?)の株式がほしいと言っているのではなく、ムダな変動を自重してほしいということです。)
(関連記事)