VWOのデータを眺めていて思ったことです。NAVとCloseそれぞれの日次騰落率のヒストを取ると以下のようになります(米ドル建て。2008/06/18の1:2分割は考慮。±10%を超える部分は非表示)。
期間は2005/03/10-2013/08/09で、標準偏差、相加平均、相乗平均は以下の通りです。
Daily[%] |
σ |
相加平均 |
相乗平均 |
NAV |
1.72 |
0.0363 |
0.0215 |
Close |
2.14 |
0.0444 |
0.0215 |
たまたま相乗平均が等しい期間が取れました。注目すべきは2点。
①NAVよりCloseの方がシグマが大きい
②シグマの大きいCloseの方が相加平均が大きい
①はETFの二重価格の弊害だと思います(ただし1681はCloseの方が小さいようです)。
②について、相乗平均はバラツキが大きいほど相加平均に対して減価します(「
リターンの平均とバラツキとの関係」参照)。ではETFの基準価額と取引価格とのカイリでも同じことが言えるのでしょうか?
つまり取引価格の方がバラついているのに基準価額に連動する(相乗平均が等しい)ということは、取引価格の方が相加平均が大きいことになる。ではその余剰リターンの源泉は何なのか?源泉が無ければ取引価格は基準価額に対して長期的に下方乖離し続けるのではないか。
「
VWOの基準価額と取引価格とのカイリ」で見たVWOの乖離率は初期に持ち上がったあと長期的に右下がりでした。単なるプレミアムの解消であればいいのですが、もしバラツキによる減価だとしたら・・・。私の思い過ごしであることを願います。
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