「EWI=Equal Weight(ed) Index=等配分(等金額、等加重)インデックス」です。
以上見てきたように、これでシリーズ4戦4勝で優勝です。あくまで今回取り上げた4指数の1998年からの平均であり、時期によっては逆転もあります。0か1かで議論できるものではなく、長期的に見た確率の話です。ただこの結果を見ると以下のような疑問が湧いてきます。
★等配分インデックスが目立たないのはなぜか?
待望の新興国リートが登場し、信託報酬競争も飽和感のある今、投資信託関係で最も望むことはEWIファンドの充実です。もちろん過去の実績は未来を保証しませんが、これだけの結果を残しているEWIが注目されないのはなぜなのでしょうか。金融機関は基本的に都合のいい数字を宣伝に使いたがるので、これを利用しない理由がわかりません。
例えばアクティブファンドでも業績等をコストと手間をかけて調べなくても日経平均の225銘柄を等分で持つだけでベンチマークである日経平均を上回れるのではないでしょうか。
金融のプロや専門家が知らないとは思えませんが。
ひとつ邪推するとしたら、「インデックスが強すぎると手数料を稼ぐためのアクティブが売れなくなるからインデックス・アクティブとも時価総額をベンチマークにしている」と考えられます。運用上の理由よりもこちらの方がしっくりきます。それはある意味市場が正しい価格を形成できないことを認めることにもなります。これは金融業界にとっていろいろと不都合な真実がありそうですわ。とりあえず現状が我々にとって非効率なのは言えると思います。
等配分は運用上実際にファンドを作るのは不可能という意見(「
時価総額加重平均である理由」参照)に対しては、もともとの指数にMid Capくらいまでしか含まれていないようなので大して問題ないと思います(MSCIbarraで検索してもStandard (Large+Mid Cap)でしか出てこない。それでも影響あるならMid Capを足切りなり間引くなりすればいい)。
特に日経225のような株価平均(等株数)という統計的に全く根拠のないインデックスは等金額にすべきだと思います。もともと大型株だけなので運用上も問題ないはずです。S&P500のEWIがあるように日経225のEWIくらいあってもいいと思うのです(というかなんでまず金額で等分するという発想が出てこない?)。数学的にも合理的なことは証明できます。もしそれでパフォーマンスが劣ることがあったとしても特定の企業に価格が支配されるよりマシだと私は思っています。
株式に限らず債券に関しても、膨大な借金を抱える国を平準化してデフォルトのダメージを均等化したいと考えるのですが。これに関して時価総額加重は完全に分散投資の逆をいっています。市販のメジャーな資産の中では唯一新興債(JPM GBI-EM G"D")がそれをケアしています。
こういうのをインデックス投資ナイトとかで主張するのがよいんですかね。参加される金融関係者の方にも意見を伺ってみたいです。
ただ一点、実際のEWIのリスクが増加するという点はアセットアロケを決めるときに対策しておく必要があります。リターン効率が高いので安全資産や日本債を多少増やしても問題ないです。
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