インデックスの主流である時価加重には偏りがあり、「分散」に反しているのではないかということは以前述べました。と言ってもインデックス投資と分散投資は必ずしも等価ではありませんし、世界が米国中心に回っている以上、偏りを是正することが困難であることも事実だと思います。自己矛盾を抱えていてはモチベーションに影響しますので、先日の「証明モドキ」の証明やコスト合理性以外で時価総額ウェイトに意味を見出せないか考えてみます。
【MSCIコクサイインデックスの構成比(スタムグロ株運用報告書@2015/05/11より)】
運用報告書の「組入資産の明細」から国別の時価と銘柄数を取得し、「時価比率」と「銘柄数比率」をプロットしたものです。銘柄数比率はイコールウェイトインデックス(以下EWI)の時価比率に相当します。EWIはベースの時価加重インデックスと構成銘柄は同じで均等配分されたものであり、国ごとの銘柄数や構成比率は制限されていません。つまり統計的合理性を備えるEWIも国別(通貨別)構成比率は偏りがあるということになります。
これが「アンバランスな時価総額比率を統計で正当化する」という意味のつもりです(こじつけですが)。
しかし市場規模をインデックスに反映させる方法として、銘柄数(EWI)は時価よりも統計的に無難ではないかと思います。理由は「時価」という市場の不確定性のパラメータをひとつ落とすことができるからです(不確定性には他に「変動」「相関」などがあると思います)。
あくまで、国や通貨で色分けした時に時価配分と均等配分とで「表面上」似たような配分になるというだけで、分散(構成要素のリスク管理)という観点では時価総額比率に統計的な意味が無いことに変わりはないと考えています。
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