通勤で駅まで行く途中に大和証券があるのですが、ディスプレイに大きく「任せる」と書かれたラップ口座のポスターが貼ってあり、タイムリーなこの記事を見てそういえばこれどうなん?と思ったんです。
【要旨】
・「ラップ口座」の残高が急増
・専門家に運用を任せられる安心感などが好調の理由
・最低投資金額が引き下げられて投資の間口が広がった(1億円→500万円、300万円)
『各社は定期的な資産配分の見直しを実施している。・・・年1回だった見直しの回数を年4回に増やした。市場動向の変化に対応し、安定的な運用につなげる狙いだ。』
かなりの額の手数料で運用を一任しているのに年1回だったんですか・・・。頻繁に変える必要はなくてももう少し手厚いものと思っていました。担当者も多くの顧客を抱えて大変だと思いますが。
『手数料は資産残高に応じてかかるため、売買のたびに手数料を支払う必要はない。・・・手数料を年約2.2%から約1.9%に引き下げた。手数料は各社とも資産残高の年1~2%程度だが、投資対象となる投資信託については別に信託報酬がかかる。』
例えば三井住友TAMの「
ラップ口座(SMA)専用ファンド」を見るとインデックスも揃っていて悪くない感じだと思います。しかしこれを自分で運用すれば手数料の差額は以下のようになります。例えば大和証券のラップ口座は下限の300万円で1.512%なので、
300万円×1.512%=4.536万円(+投信の信託報酬の差額)
これに価値を見出すことができればアリだと思います(逆に考えると年間の経費4.5万円でできることしか期待できない)。少なくとも私は安心感にこの額を出すくらいなら雪山で使います。北海道のニセコルスツ富良野あたりで豪遊しますわ。
『ラップ口座は個別株への投資に比べて比較的リスクを低く抑えられる半面、手数料を差し引いたリターンが限られる場合もある』
それなら自分で運用すればいいと思うんです。よくわからなかったり手間ならeMAXIS8か世界経済idxと日本債インデックスだけで何とかなると思います。この記事を読む限りでは担当者も投信の組み合わせや配分を規定のパターンから選ぶだけですよね。それならできることは限られますしやることは我々と同じです。
銘柄選別を任せるのがアクティブファンドだとしたら資産配分(+投資信託の選択)を任せるのがラップ口座と言えます。つまりアクティブファンドにあてはまることがラップ口座でも言えると思います。
ただどっちかというと同じ資産クラス内の銘柄選別であるアクティブファンドより異なる資産の選択である資産配分の方が1.5%程度の超過リターンを継続的に達成しやすいと思います。しかし資産配分にはアクティブファンドに対するインデックスのような明確なベンチマークがないので運用の善し悪しがよくわかりませんね。個人的には等配分が資産配分のベンチマークだと思っています。
【まとめ】
少なくとも私がひとつ断言できることは、「運用がうまく行っても行かなくても彼らは責任を取らない」ということです。また自分で考えずに任せっきりでは知識や技術は身につかないと思います。
この件について考えると敗者のゲームの以下の文章が思い出されます。
『証券会社の担当の人に気をつけなさい。多くの場合、素晴らしい人たちである。しかし、彼らの仕事はあなたを儲けさせることではなく、あなたから儲けることなのだ。』
【予告】
相変わらず日経の田村さんの記事は素晴らしいと思いました。また今度考えたいと思います(今週末か来週末くらい)。
(関連記事)