画像は白馬八方尾根スキー場の黒菱第2クワッドリフト下に出現したラインコブです。リラックマのコスプレをした人たちが作ったものです。及ばずながら私もラインコブ作りに参加したのであります。
場所は変わって、こちらは野沢温泉スキー場。4月の試乗会の日、整備された朝イチのやまびこゲレンデです。
これらを見ると直感的にわかりやすいと思うのですが、キレイな整地なら滑りやすいけど、コブコブだとつらいし疲れるでしょう?
インデックス投資でもボコボコ(価格変動)があると指数のエネルギーを消耗します。
例えば日経平均株価の標準偏差は過去30年で約20%らしいので、毎年±20%の変動を繰り返すと仮定すると、30年後の複利率は
f(t)=1×0.8×1.2×・・・×0.8×1.2=0.54
【インデックス投資のラインコブと減価相乗平均(消失リターン)】
グラフには指数の変化とその時の相乗平均をプロットしています。指数の変化はまさにリラックマさんのラインコブですし、相乗平均は-2%くらいに収束するように見えます。
この相乗平均は時間によらず、プラスマイナスの2回をひと組として、偶数番目をつないだ赤い線が一定値であることがわかります。
実際はここに配当や経済成長などのリターンが乗りますが、変動だけではゼロではなくマイナスになるのがポイントです。
私はこれを「消失リターン」とか「lost return」と呼んでいます。市場さんはわかってやっているのか知りませんが、もったいないですねぇ。だから株価が上がらないんじゃないでしょうか。
この「標準偏差による相乗平均の毀損」という理屈が最小分散やリバランスボーナスなどの動機付けにも発展するわけですけれども、現実は市場次第なところもあってコントロールすることが難しい要素でもあります。
逆に変動下で効果を発揮する「積み立て(ドルコスト平均法)」によって、そのコントロールできない変動を少しでもリカバリーするのがよいと考えています。
【まとめ】
インデックス投資における「コブ(=価格変動による指数の減価)」はリターンと同等の特性を有するものであり、「コスト」「トラッキングエラー」「指数の統計特性」と同じくらい重要なものです。
コブを見るたびに消失リターンを思い出します。スキーを楽しんでいる時くらいインデックス投資のことは忘れたいものですが。
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