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インデックス・ドライバー

可能性を摘み取るのがインデックス投資ではない、インデックス投資は可能性を摑み取るものだ

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可能性を摘み取るのがインデックス投資ではない、インデックス投資は可能性を摑み取るものだ

インデックス投資が未来につながる希望であるために、解決した方がよいと思う課題を考えてみます。

インデックス投資は「市場平均(時価総額加重平均)」を王様にして他を排除するような傾向があるように感じられます。ならばそれを主張できる理由を客観的な視点から示す必要があるのではないかと考えています。

【インデックス投資に定量的に明らかにしてもらいたい課題】
◆①全投資家の運用結果の平均が「市場平均(時価総額加重平均)」となること
→「アクティブ平均=時価比率」が一般的に成立するかの証明は可能か



(考察)
全投資家(アクティブ運用)の平均が市場平均(時価比率)になることは自明なのでしょうか。

市場平均にとっての課題は「時価」という因子をどのように組み込むかでしょうか。時価を過去のリターンの結果(=相乗平均)としてS/N最大となるような極値を定式化すればよいのでしょうか。あるいは、例えば上図のような確率分布において、時価比率の極限はどの位置に収束するのかを示せばよいのではないか、と考えています。

ここで重要なのは、例えば郵政関連のようなポッと出の高時価銘柄が入ってきてウェイトの一定数を支配しても上記命題が成り立つような一般的な証明(または数値解析)が必要であることです。

個人的には、すべてのパターンを平均すると時価比率ではなく対数正規分布の平均値、つまり相加平均=均等配分(イコールウェイト)に一致するのではないかと考えています(参考「加重平均の平均値への収束について」)。ゆえに「イコールウェイトインデックスの合理性」において、中央値以下の確率でしか起こりえない平均値を無条件で取得できる均等配分の意義を考察しています。

時価比率と私の考えが噛み合っていないのはおそらく「時価」という絶対値で見るか「変化率」という相対値(微分値)で考えるかの違いではないかと認識しています。

◆②「市場平均(時価総額加重平均)」が分布のどこにくるのか
→「その他のウェイティング」に対してどのように差別化され、どのように合理的と言えるのか


(考察)
市場平均(時価比率)はこのような確率分布でどこに位置するのでしょうか。少なくともイコールウェイトは分布の「平均値」に線を引けますし、個々の統計量がわかっていれば「最小分散」や「S/N最大」、「リバボ最大」といった定量ウェイトも算出可能と思われます。

市場平均投資は市場平均に対してコストでは有利かも知れないですが、その「市場平均の絶対的な合理性」について客観的に示されていないように感じます(私の勉強不足で論文レベルでは存在するのでしょうか)。

「効率的市場」という謎の理屈を置いて「市場平均(時価比率)」を最も効率的とするのは、その他のウェイティングに対する相対関係が示されていない点で議論が足りていないのではないかと考えています。

特にイコールウェイトに対しては、例えば「小型株ガー」という状況証拠的な定性議論で斬ろうとするだけのように見えます。とある分野だけでしか通用しないような狭い視点ではなく、数学や確率で一般的に示そうという流れはないのでしょうか。定量性が無いと周りに説明できないし納得してもらえないです。

ちなみに「期待リターンが(共)分散に比例する」として時価比率を効率的ポートフォリオとする「資本資産価格モデル(CAPM)」の証明の一つは、少なくとも「ハイリスク・ローリターンの関係」に反していると考えています(参考「時価加重と「リスクによるリターンの消失」との矛盾」)。

◆③「市場平均(時価総額加重平均)」のリスクリターン平面上での振舞い
→時価比率は「平均分散分析」で記述できるのか、また時価比率の「偏り」をミーンバリアンス的にどう説明するのか


(考察)
インデックス投資がフリーライドして市場平均にコストで勝ることは理解できるのですが、市場任せということは偏りが矯正されず、リスクリターン特性も市場任せで設計値が無いということになります。アセットアロケーションは統計学に基づき事前にリスクリターン特性を考慮して決められ、リスク管理のために適宜リバランスを行うと思うのですが、インデックスの方はなぜその考え方が適用されないのでしょうか。

もちろん時価インデックスの過去のデータからリスクリターンの点は打つことができますが、市場の「アズグロウン(できなり)」では設計のDRもできないですよね(参考「インデックス投資のデザインレビュー(高配当・部分均等型最小分散インデックス)」)。

それとも市場平均(時価比率)は「平均分散分析」を用いないのでしょうか。「過去は未来を保証しない」とか「正しいのは、いつも市場だ」と考えるならばそれもありなのかも知れません。

◆④フリーライダー問題への対応
→フリーライド(ただ乗り)問題を認識しているなら解決策を考えればいいのではないか

出典 youtube.com/watch?v=Rpab9TFmNfg
※画像をクリックするとYouTubeに飛びます

(考察)
Tom Wallischのようなフリースタイルスキーの選手は持ち前のセンスに努力をブレンドしてあの高みまで登り詰めたのだと思います。

ではインデックス投資はフリーライドしているだけでよいのでしょうか。

市場平均(時価比率)の定量解析を放置し、自分の利益だけを追求して開き直っているだけではフリーライド問題は解決しないと思います。そこに問題があることを把握しているならインデックス投資は対応策を考えたいですよね。

個人的には「フリーライダー問題」への対策として「フリースタイルインデックス(参考「「フリースタイルインデックス」はどうだろうか」)」の導入を提案しています(参考「「市場平均」てどんな平均?(フリーライド対策)」)。

まあフリーライドという問題については、インデックス投資も広く薄く売買はしていると思うのですが。そのうちインデックス(パッシブ運用)だけになっても無駄なシグマによるロスが発生せずにむしろ効率的とも考えられるのですが。

【提案】
このように市場平均(時価比率)の理屈はまだ曖昧で不十分なところがあるのに、インデックス投資(パッシブ投資)は他を排除して市場平均投資を万能とする流れに違和感を感じます。

・・・この自信の原材料はどこからくるのだろう。2mgでいいから僕にも分けて欲しい。

現在の私の理解は、「時価比率はウェイティングではなく価格変動である」に落ち着いています(参考「等配分と時価加重に関する考察」)。

少なくとも客観性が示されることなく市場平均(時価比率)を「最も効率的」と判断するのは時期尚早と思われます。

インデックス投資は大きなポテンシャルを秘めていると考えています。そのポテンシャルとは数学や統計などの定量性を駆使してリスクを抑えS/Nを向上させることで未来を広げる(確実性を増す)という可能性を秘めていることです。市場変動というイレギュラーな因子を少しでも抑え込むことで、資産形成のための効率が上がることが事前にわかっているからです(参考「資産運用の効率について(長期投資における時間とS/Nとの関係)」)。

そのためには定量性を放置せずに、未来に対する不確定性と向き合う必要があると思います。だからインデックス投資には視点を広くもち、自律的に未来をコントロールするような段階に移行することを期待しています。

【余談ヨルダン】
インデックス投資は未来の可能性を広げるものであるのと同時に、不確定性(バラツキ)も広げるものであることを忘れてはいけないと思います。

◆「拡散波動砲」

このように確率的に拡散していく「波動砲」の不確定性を縮小させ、幾多の課題を解決するために「統計的インデックス投資」が存在すると考えています。

なんとかオチがついたところで、まとめたいと思います。

【まとめ】
もちろんどのやり方にもいいところもあればわるいところもあります。定性的な主観論で可能性を排除するのではなく、「フリースタイルインデックス」のような可能性を生み出し、それぞれのポテンシャルを主体的に使いこなして進化していく方が希望が持てますよね。

インデックス投資は内部だけで通用するような都合のいい理屈で閉じるのではなく、謙虚に課題と向き合い、ねばり強く解決していく姿勢であってほしいと思います。

ここで挙げた課題は困難なものばかりと思われますが、逆境の中でこそ希望は輝くものであると私は信じています。

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