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インデックス・ドライバー

「リスクによる減価と不確定性の増大」をポンチ絵で表してみた

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「リスクによる減価と不確定性の増大」をポンチ絵で表してみた



ポンチ絵シリーズ第三弾。上の画にラベルを付けると以下のようになります。

【シグマの改善】

標準偏差をσ=20→15%、相加平均をr=5%として波動砲の「半身(はんみ)」をプロットしたものです。青色、桃色、灰色がσ=15%、水色、赤色、黒色がσ=20%の組になります。

ここでまず平均値は同等、中央値はσ=15%が高く、分布の広がりはσ=20%の方が大きいことがわかります。

【考察】
シグマが改善した場合の「中央値(相乗平均)」はσ=20%で2%の消失からσ=15%で1.125%の消失に抑制され、結果として0.875%の相乗平均リターンを生み出しています。ただしシグマを制限しても「平均値(相加平均)」は変化しません。

一方でコストの改善は相加平均と相乗平均の両方に効果があります。以下はσ=20%のままでrに上記の0.875%を加算した場合です(コスト減でリターンが改善したと仮定)。

【コストの改善】

コストの改善は分布全体を上向かせることがわかります。シグマの場合は分布の広がり(バラツキ)を縮小するほか、コストによる改善以上に「不確定性(-1σのライン)」を改善することがコストと差別化される点と考えています。

コストが0.875%改善した場合の「-1σ(84.1%)」における元本割れ回避時間(資産価値=1との交点)はr=5%、σ=20%で44.4年からr=5.875%、σ=20%で26.6年への短縮となります。一方でシグマが20%から15%に改善した場合の元本割れ回避時間はσ=20%で44.4年、σ=15%で15.0年であり、同量のコストを低減するより効果的です。

以上をまとめて特性良化の星取り表を作ります。

【星取り表】
相加平均 相乗平均 バラツキ 元本割れ
コスト
シグマ





【まとめ】
コストは波動砲の振幅を変えずに全体の傾きを変化させ、シグマは相乗平均の傾きと波動砲の振幅に影響を与えると考えられます。また中央値である相乗平均においてはコストとシグマの効果は「等価」と考えられます(※)。

このように、中央値を減価させ、不確定性とバラツキ(波動砲の振幅)を増大させる「シグマ」を低減することで双方の改善が見込まれます(バラツキの低減はシグマしかできない)。

インデックス投資は如何に波動砲を収束させ照準を立てられるかが課題となります。インデックス投資はコストだけでなくシグマの観点からもバランスよく進化していくことが望ましいと考えています。

※厳密にはシグマによる相乗平均の減価は相加平均(コスト)にも依存すると考えられる

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